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目次
日本の観光列車の魅力とは
日本各地には、ただの移動手段にとどまらず「旅そのものを楽しむ」ために設計された観光列車が数多く存在します。車窓に広がる大自然、車内で味わえるご当地グルメ、洗練されたインテリアやサービス──これらが揃う観光列車は、まさに移動時間を特別な体験に変えてくれる乗り物です。
近年は「乗ること自体が目的」となる鉄道旅行が人気を集めています。飛行機や高速道路の発達により移動自体は効率化されましたが、観光列車はその対極にあり、ゆったりとした時間の流れを楽しむ旅を提供します。美しい景色を眺めながら食事を楽しみ、地元の文化や歴史に触れられることから、年齢を問わず幅広い旅行者に支持されています。
観光列車は、地域活性化の象徴としても重要な存在です。車内で提供される料理には地元食材がふんだんに使われ、停車駅では地域の特産品や観光名所が紹介されます。つまり乗客は鉄道の旅を通じて「その土地の魅力を体感」できるのです。これこそが観光列車の大きな魅力であり、通常の移動では味わえない特別な体験を与えてくれます。
観光列車ならではの特徴
1. 車窓からの絶景
観光列車の最大の魅力はやはり車窓からの眺めです。日本は四季折々の自然が豊かで、春の桜並木、夏の新緑、秋の紅葉、冬の雪景色と、同じ路線でも季節によって異なる表情を楽しめます。通常の特急列車や新幹線と違い、観光列車は「景色を楽しむこと」を目的としているため、速度を抑えて走行する区間が多いのも特徴です。大きな窓や展望デッキから、普段の移動では気づかない絶景をじっくり堪能できます。
2. ご当地グルメの提供
観光列車の大きな楽しみの一つが「食事」です。駅や車内で提供されるお弁当には、その土地ならではの食材や料理法が取り入れられています。例えば、海沿いを走る列車では新鮮な海の幸が楽しめ、山間部を走る列車では地元で採れた野菜や肉が堪能できます。列車に乗ることで「地域の食文化を味わう」ことができるのは、観光列車ならではの魅力です。
3. 特別なインテリアとサービス
観光列車の車内は、一般の列車とは一線を画すデザインが施されています。木材をふんだんに使った温かみのある内装、伝統工芸を取り入れた装飾、ゆったりと座れるソファ席や展望席など、旅の気分を高めてくれる仕掛けが随所にあります。また、専属アテンダントによる丁寧なサービスや、観光案内のアナウンスも魅力の一つ。まるで高級ホテルや旅館に滞在しているかのような快適さを列車内で体験できます。
4. 地域とのつながり
観光列車は単なる移動手段ではなく、地域と旅行者をつなぐ役割を担っています。沿線の観光名所を紹介したり、停車駅で特産品の販売や地域住民によるおもてなしが行われることもあります。これにより旅行者は地域文化に触れることができ、地域側も観光振興につなげることができます。鉄道会社と地域が協力して作り上げる「動く観光資源」としての観光列車は、日本独自の旅のスタイルといえるでしょう。
一度は乗りたい絶景観光列車ガイド
ここからは、日本全国で人気を集めている絶景観光列車をご紹介します。どの列車も景色・食事・サービスが揃った特別な存在であり、乗るだけで非日常を体験できるものばかりです。まずは東日本エリアから代表的な観光列車を見ていきましょう。
五能線「リゾートしらかみ」(青森〜秋田)
青森県と秋田県を結ぶ五能線は、日本海の絶景を楽しめる路線として鉄道ファンだけでなく多くの旅行者に愛されています。その中でも「リゾートしらかみ」は観光列車として特別に設計され、広い窓から日本海のパノラマを満喫できます。夕暮れ時には水平線に沈む夕日が海面を黄金色に染め、言葉を失うほどの美しさです。
車内では津軽三味線の生演奏や地元食材を使った駅弁の販売など、地域文化を体感できるイベントも開催されます。季節ごとに違う景色を楽しめるため、春夏秋冬すべての季節で訪れる価値があります。青森の白神山地や秋田の男鹿半島といった観光地とも組み合わせやすく、鉄道旅の醍醐味を存分に味わえる列車です。
只見線「四季彩」(福島〜新潟)
福島県会津若松から新潟県魚沼へと続く只見線は、「日本一の秘境路線」と呼ばれるほど自然豊かな景観を誇ります。特に只見川に沿って走る区間では、川面に映る山々の四季折々の姿が美しく、まるで絵画の中を走っているかのような気分になります。春は新緑、夏は深い緑と清流、秋は紅葉、冬は雪景色と、一年を通じて異なる表情を楽しめるのが魅力です。
観光列車「四季彩」では、大きな窓から絶景を一望できるほか、車内に展望スペースやラウンジ席が用意され、ゆったりと景色を満喫できます。特に冬の雪に包まれた山々と鉄橋を渡る瞬間は、鉄道写真家や旅行者にとって憧れのシーンとなっています。都会では味わえない「静けさ」と「雄大な自然」の両方を楽しめる路線です。
観光列車「花嫁のれん」(石川・和倉温泉〜金沢)
北陸新幹線の開通以降、石川県を訪れる観光客が増加していますが、その中で注目を集めているのが「花嫁のれん」です。この列車は金沢と和倉温泉を結び、北陸の伝統文化を体感できる観光列車として人気です。車両のデザインには加賀友禅や輪島塗といった石川の伝統工芸が取り入れられており、列車に乗った瞬間から華やかな世界観に包まれます。
車内では加賀料理をアレンジした特製弁当やスイーツが提供され、食事を通じても地域文化を楽しめます。和倉温泉との組み合わせで、鉄道旅と温泉旅を一度に楽しめるのも魅力。特別な記念旅行や女子旅におすすめの列車です。
観光列車「伊予灘ものがたり」(愛媛)
四国・愛媛県を走る「伊予灘ものがたり」は、瀬戸内海沿いを走る絶景列車です。松山駅から伊予大洲駅、八幡浜駅を結ぶルートでは、車窓から広がる穏やかな海と田園風景を同時に楽しめます。特に夕方の「黄昏の章」では、沈みゆく夕日と海が織りなすロマンチックな光景が人気です。
車内はレトロモダンなデザインで、木の温もりを感じられるインテリアが旅情を演出します。また、沿線の駅では地域住民によるおもてなしや地元特産品の販売もあり、旅人を温かく迎えてくれます。ゆったりとした時間の流れを楽しみたい方にぴったりの観光列車です。
観光列車「あそぼーい!」(熊本)
九州・熊本を走る「あそぼーい!」は、子ども連れの家族に大人気の観光列車です。阿蘇の大自然の中を走るこの列車は、車内にキッズルームや絵本コーナーが設置されており、小さな子どもでも退屈せずに過ごせる工夫が施されています。親にとっても、子どもが楽しんでいる姿を見ながら絶景を堪能できるのは大きな魅力です。
阿蘇の雄大な景色、火山の地形、広がる草原など、ダイナミックな自然が車窓いっぱいに広がります。沿線では温泉や観光スポットも多く、列車旅と観光をセットで楽しめるのが「あそぼーい!」の醍醐味です。家族旅行を計画している方に特におすすめです。
九州横断特急・特別観光列車「ゆふいんの森」
大分県由布院と博多を結ぶ「ゆふいんの森」は、九州を代表する観光列車の一つです。深い緑に囲まれた山間部を抜け、温泉地由布院へと向かうルートは、まさに絶景と癒しの旅。車両は木のインテリアを活かしたデザインで、落ち着いた雰囲気の中、地元食材を使った料理やスイーツを楽しむことができます。
由布院は温泉地として有名ですが、美術館やギャラリー、カフェなども点在し、観光列車との相性が抜群です。「ゆふいんの森」での移動自体が旅の一部となり、到着後の観光と合わせて一層思い出深い体験となります。
観光列車「ななつ星 in 九州」
日本の観光列車の最高峰ともいえるのが、豪華クルーズトレイン「ななつ星 in 九州」です。2013年にデビューして以来、その豪華さとホスピタリティで世界的にも注目を集めています。木材をふんだんに使った内装は重厚感がありながらも温かみがあり、客室は高級ホテルさながら。食堂車では九州各地の旬の食材を使用したフルコース料理が提供され、料理人やスタッフのおもてなしが旅を特別なものにしてくれます。
車窓からは九州の雄大な山々や田園風景、海岸線など、地域ごとの多彩な自然を楽しむことができます。1泊2日から4泊5日まで複数のコースが用意されており、移動手段を超えて「走る高級ホテル」としての価値を体感できるのが魅力です。鉄道ファンはもちろん、記念日やハネムーンなど特別な旅行にもふさわしい列車といえるでしょう。
観光列車「SL人吉」(熊本〜人吉)
蒸気機関車の旅を体験できる「SL人吉」も外せない存在です。熊本駅から人吉駅までを結ぶこの列車は、クラシカルな車両と力強い蒸気機関車が特徴です。窓からは球磨川の渓谷美や山あいの田園風景を堪能でき、ノスタルジックな気分に浸れます。車内には展望ラウンジや展示コーナーもあり、鉄道の歴史を感じながら旅を楽しめるのも魅力です。
現代的な豪華観光列車とはまた違った「昭和レトロ」な雰囲気が漂い、世代を問わず人気があります。鉄道旅の原点を感じたい方には、ぜひ一度乗っていただきたい列車です。
観光列車「トワイライトエクスプレス瑞風」(関西〜山陰・山陽)
関西を出発し、中国地方を巡る「トワイライトエクスプレス瑞風」は、豪華観光列車の代表格です。上質なデザインの客室、シェフが手掛ける極上の料理、車窓に広がる瀬戸内海や山陰の海岸線──すべてが非日常を演出します。展望車からの眺めはまさに「走る展望台」と呼ぶにふさわしい絶景。途中停車する観光地では、特別なツアーが用意されており、鉄道と観光の融合を体感できます。
瑞風の旅は高額ではありますが、それに見合う価値を提供してくれる贅沢な体験です。まさに「大人の夢」を実現する列車であり、人生の記念にふさわしい旅行となるでしょう。
観光列車「ろくもん」(長野)
長野県を走る「ろくもん」は、しなの鉄道が運行する観光列車で、車両デザインには信州の自然や文化が反映されています。地元の木材を活かした温もりのあるインテリア、座席から眺める浅間山や千曲川の景色は格別です。車内では信州の食材をふんだんに使った料理が提供され、まるでレストランで食事をしているかのような優雅な時間を過ごせます。
沿線には温泉地や歴史ある街並みが点在しているため、列車旅と合わせて観光も楽しめます。自然と文化、食を一度に味わえる「ろくもん」は、信州エリアの魅力を凝縮した列車といえるでしょう。
まとめ
日本各地には、個性豊かな観光列車が数多く存在します。車窓からの絶景、ご当地グルメ、地域文化との出会い、そして非日常を演出するインテリアやサービス──観光列車は移動手段にとどまらず、旅そのものを特別なものに変えてくれる存在です。
今回ご紹介した「リゾートしらかみ」「只見線 四季彩」「花嫁のれん」「伊予灘ものがたり」「あそぼーい!」「ゆふいんの森」「ななつ星 in 九州」「SL人吉」「瑞風」「ろくもん」は、それぞれが異なる魅力を持ち、訪れる人に忘れられない体験を提供してくれます。
次の旅行は「どこへ行くか」だけでなく「どの列車に乗るか」を軸に計画してみてはいかがでしょうか。観光列車に乗ることで、目的地だけでなく「道中そのもの」が旅のハイライトとなります。ぜひ日本各地の絶景列車に乗って、心に残る鉄道旅を体験してください。
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